#5 新たな地獄

03 教育委員会




都道府県教育委員会への異動が決まって、それまでは余り話をしなかった人が声をかけてきた。

「あそこは、とんでもないところですよ」

その人は3年間、都道府県教育委員会に在籍した。

その人の話では、こんなところだそうだ…

まず、理不尽が酷い。

自分が文書を作り、直属の上司に見せる。
直しだらけで、真っ赤になって戻ってくる。

それを直して、もう一つ上の上司に見せる。
また、直しだらけで、真っ赤になって戻ってくる。

それが、合計3回。

ほぼ、原型がなくなる。

理不尽なのは、その中身。

はじめに見せた上司に指摘されて、直したところ。
それを次の上司に、直すように言われる。

「こんなんじゃ、ダメだ!」

いわゆる叱責。

しかし、そこは直属の上司が直せと言ってきたところ。
直属の上司に言われた通りに直したのに、叱責を受ける。
そのとき、直属の上司は…庇ってくれるどころか、叱責する側になる。
加勢するのだ。

そこで、
「ここを直すように言ったのは、あなたですよね」

そんなことを言ってしまった日には、激怒される。
いや、激怒されることはない。

言えるわけがない。

上下関係が絶対的な世界だから。

理不尽だと思いつつ、我慢するしかない。

環境も劣悪だ。

エアコンは勤務時間中のみ。

朝早くから仕事をしていてと、始業まではエアコンは付かない。

夏場の暑い日は、団扇で仰ぎながら、汗だくで仕事をする。

終業時刻になっても、仕事は終わらない。

その人いわく
「今の仕事の10倍の仕事量」

で、あるから、エアコンが切れて、そこから残業が始まる。

それが終わるのは12時。

つまり、エアコンが使えない状態で、6時間は仕事をすることとなる。

では、何時に帰ることが出来るのか。

「車での通勤を選んだら、大変なことになる」

車で通勤できたら、自由な時間に通勤できる。
電車に揺られることもなく、車の中は自分の空間だ。

だが、これには落とし穴が。

車で通勤しているということは、いつまでも仕事ができるということだ。

電車通勤ならば、終電には帰れる。
いや、仕事が終わってなくても、終電に乗らなければ、その日、帰ることはできない。
まあ、その日は終わっているのだが…。

電車通勤ならば、終電という、ひとまず終わりがある。

車での通勤…終わりはない。

2時まで仕事をして、家に帰る。

翌日、8時に出勤するためには、6時には起きなくてはいけない。

ならば…家に帰る時間より、とにかく休みたい。

疲れをとりたい。

家に帰るのではなく、車を一晩停められるところに止めて、車中泊。

数時間寝て、再び、出勤。

まだまだ、話は続く。

今日はここまで。


コメント

タイトルとURLをコピーしました