#44 スライムくん②

07 人生はゲーム




試練の夏。
私は今までになく苦しんでいた。

スライムくんとの話で、私は勇気をもらった。
くじけずに業務を続けられていた。

だが、業務は押し寄せてきた。

そんなときに、悪魔の囁きが…

「スライムくんのせいで、業務が多くなった」

それは、以前から教育委員会にいる人たちの声。
確かに、1年目の私の業務は、異例。
さらに…2年目のスライムくんの業務も、異例。

同じ異例でも意味が違う。

1年目にしては、あり得ない多い業務量と業務の組み合わせ。
2年目にしては、少ない業務量。

このことを事実として、受け止めていいものかどうかは分からない。
言えるのは、私にとって、スライスくんとの関係は変らない、ということ。
引き続き、定時で退庁できるときは、共に退庁して、いろいろと語った。

だが、ふと頭をよぎる。

私は、大きな業務が押し寄せてきた時期があった。
だから、今は、余裕がある。

スライムくん…大きな業務はないのに、今、余裕がある。

「まあいいや」
そう思って、共に帰る。

ところが…スライムくんと共に帰ることができない日々が訪れた。 

スライムくんに、最大の危機が訪れたのである。


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