終わりが見えない業務がようやく終わった。
やればやるほど、気になることが出てくる業務。
気になることを残したまま、タイムアップ。
締切を迎えた。
「本当に大丈夫なのだろうか」
そんな心配はある。
だが、とりあえず終わった。
この仕事の終わりとともに、心は少し落ち着いている。
耳鳴りは毎日のようにある。
しかし、苦しくなることは少なくなった。
めまいを感じることが少なくなった。
終わりが見えない業務が終わったからであろう。
窮地から、私は脱出したのだ。
だが、油断は禁物。
日々、自分の心を落ち着かせることを第一に過ごした。
そんな時、あることが起きた。
思い起こせば、昨年度。
初任の交流会があった。
その時に、以前勤務していた学校の保護者がいた。
その保護者も教師だった。
そして、同じ年に、都道府県教育委員会に赴任した。
「奇遇ですね」
そこから、仲良くなった。
仲良くなったと言っても、たまに話をする程度。
数日に1度ほど。
課が違うので、関わりはない。
席も離れている。
終わりのない業務が終わり、少し落ち着いた私。
こんな声が聞こえてきた。
「机の上に、なぜ段ボールが置いてあるのだろう」
なんのことだろうと、聞いてみると、最近出勤していない人がいて、その人の机の上には段ボールが置いてあるのだという。
「どういうことだ」
もしかして…その人は、休養に入ったのでは?
そう。
「お休みに入った」
事実、そうらしい。
その人は、精神的なことを理由に休養に入ったらしい。
「机の上に段ボール」
本人はもう来ないらしい。
段ボールを本人の自宅に送り、都道府県教育委員会から異動となる。
今年度末まで、休養になるらしい。
この噂を気にしていたが、わざわざ確かめることはせずに仕事を続けた。
翌日、仲良くなったあの人の様子を見ようと、その課の近くを通った。
顔が見えない。
「そうか、今日は休みか…」
ふと、机の上が目に入った。
段ボールが置かれていた。
休みに入ったのは、その人だった。
数週間前までは、元気そうだった、
私が苦しんでいる間に、何があったのだろう。
2年目は鬼門なのか?
2年目は1年目より、仕事が増える。
そして、1年目の蓄積した疲れもある。
夏休みもない教育委員会。
慣れない仕事、都道府県教育委員会で走り続ける。
もがいて、ようやく1年目を走り切った。
そして、休むまもなく2年目が始まる。
1年目より過酷な道を走る。
「2年目は1年目よりは大丈夫だろう」
そう思うのが普通。
だが現実は違う。
1年目より苦しい。
でも走り続けなければならない。
「もう、走るのをやめたい」
そう、体も心も言っていたのであろう。
「お疲れ様でした」
「ゆっくり休んでください」
私は…走り続けたい。
拒否反応に打ち勝ちたい。
「都道府県教育委員会はサバイバルだ」
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