ビッグプロジェクト #1

10 ビッグプロジェクト




「ビッグプロジェクト」

そう呼べることに携わったのは初めて。

そして、2年目も引き続き携わることが決まった。

それは3月。

来年度の体制が発表された。

ビッグプロジェクトに関わる人は5人。

これはうちの部署内の人数。

他の部署からも集められ、総数15人。

そして、1年を費やすビッグプロジェクト。

1年目を経験して感じたこと。

「やりがいのある仕事」

一方で

「難しい仕事」

だからが故のビッグプロジェクトではある。

ただ、、、プレッシャーは半端ない。

そう。

とにかくプレッシャーとの闘い。

3月に発表され、2年目となる私には構想があった。

ビッグプロジェクトは5つの3人チームに分かれる。

1年目はチームの2番手的なポジションを確保したと思えた。

チームリーダーは経験年数の長い人。
他のチームからも一目置かれる人。

その人はビッグプロジェクトから抜け出せずにいた。
後任がいないからである。

この人が在籍している間、何人もの新人が入ってきた。
そして、1年でプロジェクトを外れていった。

リーダーのお眼鏡に叶う人は現れず。
リーダーは長きに渡り、プロジェクトに携わることとなった。

1年目の後半。
私とリーダーはプロジェクトについて相談することが増えた。

3人目の人は蚊帳の外。
というか、私とリーダーの話題の中心。

「あの人をどうするか」

プロジェクトは5つのチームで行い、さらにチーム内で分担されている。

3人目の人の仕事が滞っている。
それを私とリーダーでどうしようか。

それがプロジェクトの総決算前のチームの現実だった。

そんな1年目を終えて、リーダーはプロジェクトから去った。
長くて3年。

リーダーは5年を費やした。

そして、私は残った。

「次のチームリーダーは私だ」

そう思って、プロジェクトの1年目を終えた。

チームの方向性など、構想はある。

イメージはできている。

ビッグプロジェクトを嫌がる人は多い。

ほとんどの人が嫌がると言っても過言ではない。

プレッシャーが半端ない。

だが、密かに楽しみにしていた。

1年目の反省を活かし、2年目はチームを率いて、より高みを目指す。

楽しみであった。

そんな私に年度の最終日。

課長から告げられた。

「来年度はビッグプロジェクト全体の責任者をしてもらう」

青天の霹靂。

責任者は当然、チームリーダーにはならない。

プロジェクト全体のリーダーだ。

望むことは、ことごとく実現しない。

それが私の人生なのか。

チャレンジの1年の始まりだった。


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