ビッグプロジェクト #2

10 ビッグプロジェクト




「ビッグプロジェクトの責任者」

驚きと戸惑いの中、プロジェクトは始動した。

活動は1年間。

夏までは他の業務と並行しながら。

秋以降はビッグプロジェクトに軸足を置く。

さて、メンバーは、、、。

先輩が5人、後輩が5人。

そして、同期が5人。

ちょうど真ん中。

その中での責任者。

正直プレッシャーだ。

荷が重い。

1年目に、難しさと共に、やりがいを感じた。

しかしそれは、プロジェクトの1メンバーとしてのこと。

チームリーダーならともかく、プロジェクト全体の責任者になるとは。

プレッシャーはあるが、とにかくやっていくしかない。

どのように運営していくか。

これは迷いはない。

「責任者ではあるが、経験は1年間のみ。先輩方はもちろん、みんなの意見を大事に進めるしかない」

プロジェクト初日。

責任者としての緊張は特にない。

ただ、言動には気をつけなければいけない。

もし、責任者になることがわかっていたら、1年目から、責任者の言動や振る舞いを見て学ぼうとした。

ところが、それはもうできない。

朧げな記憶と共にプロジェクト始動。

とにかく先輩方から、これまでのことを聞きながら、進めていく。

そして、ある程度、軌道に乗り、目指すべきものが見えてきたら、自分を出していこう、そう思った。

幸い、春のスタートは決して急ぐものではない。

だから、ゆっくり慌てず。

実を言うと、プロジェクトをゆっくりしていかざるを得ない状況があった。

他の業務が多い、という問題だ。

1年目はとにかく業務が多かった。

「地獄」

「試練」

「サバイバル」

そんな言葉が自然と出た1年間だった。

2年目は1年目より業務が少し減った、と思っていたら、ビッグプロジェクトの責任者。

そして、、、何年かに1度の業務もやってきた。

2年目もとにかく4月から仕事に追われた。

「責任者なのに忙しい」

「頑張ってくれている」

そう言ってもらえるのも、最初のうちだけ。

それぞれが、自分のことで精一杯。

当然、問題が起きる。

5月早々、新入りのメンバーに相談を受けることになる。

それは、また、のちに語る。


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