ビッグプロジェクト #5

10 ビッグプロジェクト




チームB。

ビッグプロジェクトの5チームの中では、最も業務がスムーズに進む。

業務内容が、他チームほど複雑ではない。

だから、例年、このチームBが最も業務が早く進んでいく。

「ビッグプロジェクトを牽引するチーム」

そもそも、長年のビッグプロジェクトの全体責任者の多くは、このチームBから選出されていた。

私が知る限り、全体責任者の半数以上がチームBからだ。

今年度も、おそらくチームBから選出される予定だったのであろう。

そう思う理由。

昨年度、そういう思惑でチームBに加入したであろう人がいた。

昨年度、1年目としてチームBに加入し、2年目となる今年度、全体責任者。

そういう計画だったのであろう。

ところが…昨年度、その人は、このビッグプロジェクトで成果物なるものを産み出すことはできなかった。

それ以外の作業はそつなくこなした。

だが、成果物はなかった。

「事務的なことを的確にする」業務

「自ら考え、創造する」業務

ビッグプロジェクトは、どちらも必要。

そして、後者が絶対的に必要なのだ。

この人は、誰もが認めるスキルを持っていた。

しかしそれは「事務的なことを的確にする」業務のスキル。

だが、「自ら考え、想像する」業務のスキルは持ち得ていなかった。

本人が一番感じていたはずだ。

今年度、メンバーに入らなかったのは、本人が拒んだかららしい。

人事とは「玉突き」

その結果、私は「全体責任者」になったのである。

 

話を、今年度のチームBに戻そう。

今回は、ベテラン1人と、新人の2人。

ベテランは、連続してこのプロジェクトに関わっている。

この人は、経験年数がベテランの域に達していることに加えて、連続してこのプロジェクトに関わり、昨年度も中心メンバーであった。

チームBは「安泰」

そう思っていた。

ところが、である。

本当に世の中、思ったようにはいかない。

「ビッグプロジェクトを牽引するチーム」が、どうもうまくまとまらない。

経験豊富な中心的存在のベテラン。

ついに、チームのリーダーとなった。

だから「安泰」、だと思った。

昨年度もプロジェクト全体の中心メンバー。

「中心だったからといって、トップが務まるかは分からない」

それを実感するのは、夏頃だった。


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