チームC。
最後に紹介するチームC。
業務としては、5チームの中で最も多く、そして難しい。
昨年度は、チーム全員が新人。
つまり、前任の3人のうち、誰1人として残らなかったチーム。
それは、業務の過酷さを物語っている。
しかし、その3人はやり遂げた。
たくましさと巧みさを兼ね備えたチームが出来上がった。
その1人は部署の事情で、今年度はプロジェクトから外れた。
新人3人であった1年を乗り越えた2人と、新人1人。
経験者の2人がチームを牽引し、最も過酷な業務を担うチームでありながら、プロジェクト全体を牽引しかねないポテンシャルを秘めていた。
予想通り、チームCはスタートから走り出した。
それは勢いではない。
前年の実績と自信。
計画的に、そして、創造性に富んでいた。
確実に進め、確実に不安要素を潰していく。
経験者の2人が、1年目の反省点のもと、邁進していた。
しかし、それは、新人には酷すぎるものであった。
私は、プロジェクトの全体責任者として、年度初めから、プロジェクトを進めてきた。
ある程度は、決まったことを進める日々。
そんな日々に突然、チームCの新人から声をかけられた。
「辛い」
「辞めたい」
チームCの経験者2人の邁進ぶりは、ベテランも含め、プロジェクトチーム全体の中でも、誰もが認めるものであった。
そこには、「力」であり、確実な「結果」へとつながるものであった。
しかし、だからが故に、新人にとっては、「過酷」であった。
2人がチーム全体の業務を牽引していく。
新人は、比較的簡単な業務を任される。
しかし、経験者2人が満足するようなものはできない。
できるはずがない。
新人であり、経験者2人の目指すレベルは高い。
新人は懸命に頑張った。
だが、認められることがない日々が続く。
「辛い」
「辞めたい」
そう思うのは必然であった。
新人の悩みを聞いた。
思いを聞いた。
愚痴を聞いた。
とにかく聞いた。
ビッグプロジェクトは、簡単にやり切れるものではない。
まだ、1ヶ月。
この新人の苦しみは、まだ序の口。
ビッグプロジェクトに初めて関わった者が、まず最初に感じる苦しみ。
「苦しいかもしれないが、チームとしては順調に進んでいる」
「どのチームより進んでいるが故に、今は苦しい」
「これを乗り越えれば、後半は苦しまなくて済む」
新人の思いを聞きながら、私は自分自身が感じていることを正直に伝えた。
そんな日々が続いた。
新人は苦しみながらも、5月、6月を乗り越えた。
チームCは邁進した。
歴代、プロジェクトを牽引していたチームBを追い越し、チームCはトップを快走した。
そう。
この夏は、チームCがプロジェクトを牽引した。
トップを快走した。
続いて、チームB。
そして…やや離れて、我がチームD。
チームAとチームEが最下位を争う。
新人からの相談が一段落したと思った矢先、2つのチームの対立が始まった。
チームBとチームC。
プロジェクトを牽引する2チームの対立。
これを解決しなければ、プロジェクト全体へ影響が及ぶ。
全体責任者として、大きな試練が訪れた。
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