歴代、常にトップを走ってきたチームB。
そして、新人ばかりの1年目を乗り越え、台頭してきたチームC。
その衝突は、夏に訪れた。
チームCは年度初めから、邁進した。
前年度、メンバー3人が全て新人であったチームC。
そのチームを牽引した2人。
2年目への熱意は、凄まじいものがあった。
とにかく計画的に。
そしてストイックに。
チームCの快進撃は止まることなく、夏を迎えつつあった。
一方、チームB。
そう慌てなくても、業務としては負担が少なく、歴代、常にトップを走ってきた。
懸命に業務を進めるチームCを追走するチームB。
余裕の追走か。
そう思っていたが、そうではなかった。
常勝チームは、決して万全ではなかった。
リーダーは、昨年度までプロジェクト全体の中心的存在であったがベテラン。
しかし、いまいちまとめきれていない。
明らかに昨年度よりも、業務の精度が下がっている。
中心的存在で力を発揮したからといって、リーダーが務まるのかは別の話なのか。
リーダーのリーダーシップの欠如もあり、チームの意識も低いようだ。
「これくらいでいいでしょ」
こういった言葉が聞こえてくるようになってきた。
夏を迎える頃には、チームCとチームBの差が開き始めた。
そんな矢先に、全体での意見交流の場があった。
そこでチームCの提案に対し、チームBから意見が出た。
たわいもない意見ではあった。
しかし、小さな認識のズレから、話し合いは後味の悪いものとなった。
原因は、チームCの新人の発言。
言うべきではないことを説明してしまったが故に、チームCの提案がブレのあるものに感じられる結果となった。
よくないことは重なる。
この日、チームCのリーダーは別業務で欠席していた。
「リーダーがいれば、こんなことにならなかった」
私は、そう感じた。
翌日、チームCのリーダーが、声をかけてきた。
「お話ししたいことがあります」
「わかりますよね。昨日の意見交流のことです」
嵐は突然やってくる。
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