ビッグプロジェクト #10

10 ビッグプロジェクト

チームCのリーダーから、チームBに対しての不満を聞いた翌日、チームBの提案に対しての意見交換が行われた。

これまで、チームBの仕事への意識の軽さが垣間見える言動が見られた。

「まあ、これぐらいでいいでしょ」

これらの発言は気にはなったが、照れ隠しという面もあったのは事実である。

であるから、周りはそれほど気にはしていなかった。

しかし、チームCは違った。

チームCの提案に対してのチームBからの意見に関わり、チームCはチームBに対して、よく思っていない。

その原因は、チームCの新人の発言であった。

しかし、もう、それは関係ない。

確実に火種があった。

そのような中、チームCの提案が始まった。

「提案が粗い」

私はそう感じた。

嫌な予感がした。

提案が終わった。

間髪入れず、チームCのリーダーの手が挙がった。

いくつかの指摘が入った。

それは、納得のいくものであった。

チームBも納得したようだった。

そして、チームCのリーダーの発言が終わる、と私は思った時、次のように締め括った。

「これだけ指摘しないといけないのは、チームBの業務への姿勢に原因があると思います」

それまでは、納得している表情であったチームBのメンバーの表情が変わった。

「提案に対しての意見交換の場ではないのか」

「我々は我々で、精一杯やっている」

チームBから反論が出て、一気に険悪な雰囲気になった。

「時々聞こえてきます。『まあ、これくらいでいいよな』」

「それではダメなのでは?」

チームCのサブリーダーだ。

チームBのリーダーも黙っていなかった。

「人それぞれの意識って、比べられるものですか」

「他の業務を抱えながらだから、このプロジェクトにどれだけ力を注げるかは、人によって違うでしょ」

沈黙の後、チームBのリーダーがいった。

「ただ、指摘は真摯に受け止めます」

静まり返った状況で私は言った。

「よろしくお願いします」

この意見交換の翌日、廊下を歩いているとチームBの新人から声をかけられた。

嫌な予感がした。

「あっちが喧嘩売ってくるなら、買いますよ」

最近はなぜか、嫌な予感がよく当たる。





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