#30 ラスボス⑤

07 人生はゲーム




「教育長レク」

私は、思っていた。

「ラスボスからのオファーに対して、こちらが説明する」

ラスボスがこれからの動きに対して、自らが把握しておきたいことを、関係する課に聞く。
そういうものだと思っていた。

違っていた。
逆だった。

「ラスボスの耳に入れておくべきことを、こちらから伝えに行く」

そういう機会だったのだ。

「予約を取らなければいけない」

そう言われ、手順を聞いた。

書類を作らなければいけないが、それ程時間を必要としない。

ところが…である。

簡単なことではなかった。

書類を作るために、ラスボスの予定を見る。

システムにアクセスすると見ることができる。

空いている時間を書類に記入する。

そして、総務課へ。

「その時間、もう埋まってます」

えっ。

さっき、確認したら、空いていたのに。

驚いた私の様子をみて、総務課の人が、

「空いているところがあると、そこに入るために、いろいろな課が希望して、埋まっていく」

そんなに人気?

そんなに多忙?

自分は資料を作り、予約を取るだけ。

そう思っていた。

予想外の展開。

ラスボスの予定の隙間を聞き、我がボスへ。

その隙間にボスの予定が入っていれば、予約ができる。

幸いボスに予定は入っていなかった。

「良かった」

「準備完了」

そして、私は別業務に。

しばらくして、気がついた。

予約した日、私はここにいない。

「ラスボス編①へ戻る」


コメント

タイトルとURLをコピーしました