#17 最恐ミッション①

07 人生はゲーム




その「最恐ミッション」との出会いは突然であった。
それは4月下旬。

4月に赴任してから、他課の人とも交流があった。
業務だけでなく、いわゆる「新任者の集い」

ある新任者は、経験豊富で、仕事ができそうな人物。
発言にも説得力がある。

半月程経つと、まだまだ分からないのとばかりだが、少し落ち着く。
まだまだ緊張の続く毎日だが、少しずつ業務を進め、学校現場との違いも分かってくる。

業務の合間に、トイレに行く途中、その「デキル人」が難しい顔で、電話をしている姿が見えた。

「どんな業務をしているのだろう」

少し興味を持ったが、聞くこともなく、数日が過ぎた。

また、トイレに行く途中、ふと見ると、「デキル人」が難しい顔をして、何かを見ている。

少し気になって、その課の近くを通るときには、その人はを見ることが増えた。
たまたま聞こえた会話の中で、連日遅くまで仕事をしていることも分かった。
早くから、夜遅くまで仕事をしている。
よほど、大変な業務なのだろう。

また、別の日のトイレに行った(頻尿なのかもしれない)。
すると、その「デキル人」が、また難しい顔をしている。
そして、電話をしている。

私は用を済ませ、戻ってくると、ちょうど電話が終わった。
私は話しかけた。

「仕事、大変そうですねぇ」

「もう、どうしたらいいのか分からない」

「何をしているのですか?」

「知事の挨拶文」

それが、私の「最恐ミッション」との出会いであった。


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