最恐ミッションを終えた私に、平穏な日々が訪れた。
そうは言っても、業務は絶え間なくやってくる。
例の「挨拶文」は、その会合の事務局に送った。
冊子に挨拶文として、掲載される。
それまで、あと2ヶ月。
それにしても、完璧な文章。
「総務課恐るべし」
尊敬とともに
「そういう仕事をずっとしている課」
「挨拶文は、総務課がしてくれたらいいのに」
と考える悪い自分もいる。
総務課に渡す前の文章が、ほとんど採用されていない。
だから、そう思ってしまう。
無事に、挨拶文を送付した。
安堵感と、教育委員会の世界についていろいろ思う。
そんな思いも、最恐ミッションが終わり、他の業務に追われる日々に戻ると、挨拶文のことも忘れていた。
そして、あと2週間で、その会合。
そろそろ、あの挨拶文が掲載された冊子も完成しているはずだ。
そんなときに、ふとよぎる。
「ちゃんと、送付できていたのかな」
「違うメールを送ってしまっていたら、大変なことだ」
心配になり、メールBOXの「送付済メール」を確認する。
よし、あの「挨拶文(総務課)」の文をちゃんと送れている。
そろそろ、冊子が来る頃だろう。
そう思っていた私に、連絡が来た。
「当日の挨拶はどうなっている?」
腰が抜ける、とはこのことか。
決して、腰が抜けて、崩れ落ちるようなことはなかったが、下半身が、完全に脱力した。
「冊子だけでなく、当日の挨拶も?」
当日まで、あと2週間。
私は、何もしていない。
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