4月半ば。
いよいよ合同プロジェクトが始まる。
2年目の私は、リーダーである。
「昨年度の経験があると言っても、1年目の昨年度は多忙で、自分の業務をするだけだった」
「周りのことをみている余裕もなかったのに、リーダーなんて」
決して謙遜ではない。
紛れもない事実。
そう思うと、気が重くなった。
不安が心を覆った。
合同プロジェクト開始の初日。
今日は、とりあえず事務局側からの説明を聞くだけだ。
「今日は、特にリーダーとしての仕事はない」
そう思い、不安はなかった。
実際、そうであった。
会議が始まった。
説明を聞く。
昨年度のことが思い出される。
そして、今年度も始まる。
プロジェクトリーダー。
だが、今日は説明を聞くだけ。
ところが…
「苦しい…」
「あれ?何か苦しい…」
何も心配していなかったのに、息苦しさを感じた途端、不安な気持ちが湧き出てくる。
「苦しい…」
「どうしたのだ。」
「また、始まったこの苦しみ。」
事務局からの説明が、淡々と進んでいく。
そんな中、私は自分の心と戦っていた。
「どうしてしまったのだ」
「これは明らかにおかしい」
会議が終わった。
息苦しさもおさまった。
だが、私の不安は、なくならなかった。
いや、大きくなり始めていた。
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