なんとか出勤できた。
今日はなんとか出勤できた。
「明日から大丈夫か」
不安で心がいっぱいになった。
そんな心配をよそに、始業となった。
その日は忙しかった。
だから、よかった。
自分のことを考える余裕がなかった。
無事、仕事を終えて、帰宅した。
「明日は大丈夫だろうか…」
「電車に乗る前に、また、苦しくならないだろうか」
「電車の中で、めまいがしたらどうしよう」
心配で、苦しくなる。
「辛い」
だが、休むわけにはいかない。
翌日。
家を出て、駅に向かう。
「大丈夫だ…」
駅のホームに着いた。
「大丈夫だ…」
電車がホームに入ってくる。
「苦しく…」
「電車に乗るのが怖い」
深呼吸。
深呼吸。
電車に乗り込む。
深呼吸。
深呼吸。
必死に席を探す。
なんとか座れた。
ホッとした。
しかし…苦しい…
車窓から、遠くをみて深呼吸。
ゆっくりと、深呼吸。
なんとかおさまった。
どうしてしまったのだ。
今日は、不安になるような業務はない。
なのに、体が拒否反応を示す。
学校に勤務していたとき、不登校の児童生徒をみてきた。
「なぜ教室に入れないのだ」
廊下まで来ても、教室に入れない子もいた。
当時は、理解できなかった。
理解しているつもりで、
「無理しなくていいよ」
そう声をかけた。
今なら理解できそうだ。
「入ろうとしても、入れない」
「気持ちだけの問題ではなく、体が拒否反応を示す」
「苦しくて、苦しくて、入りたくても入れない」
今なら分かる。
その苦しさ。
帰宅して調べた。
「不登校」
そして、
「パニック障害」
まさに今の私はそうだ。
このまま、休みに入ってしまうのか。
そして、都道府県教育委員会で、勤めきれず、現場に戻るのか。
教師人生の終盤に、このようなレッテルを貼られ、終わりを迎えるのか。
「嫌だ」
「絶対に嫌だ」
「悔しい」
でも
「どうしようない」
「何もできない」
また、朝が来る。。
ただただ
「怖い」
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