#10 まさかの展開。指導教諭になる。

00 序章




「登載はされたが、まだ指導教諭にはならない」

1月末に学校から言われた。

2月に入り、来年度の校内人事が職場の話題となっていた。

「来年度は誰が6年担任をするのか」

小学校では、6年担任を誰がするのかは、学校全体に大きな影響がある。

普段の生活において、6年生が落ち着いているか。

これが学校全体に大きな影響を及ぼす。

6年生は当然、学校の最上級生。

最上級生である自覚を持って、落ち着き、そしてしっかりと下級生をみる、そんな6年生ばかりとは限らない。

どちらかというと

「俺たちが1番」

という意識で、勝手気ままに振る舞う6年生の方が多くなる。

そういう6年生をしっかりと指導できる6年担任がいると、学校全体として落ち着く。

ところが、6年生をしっかりと指導できない6年担任だと、学校全体は落ち着きを作り出すことができない。

そんな中、次年度の6年担任の候補として、私の名前が真っ先に上がった。

異動してきて3年連続の6年担任。

私としても、名誉なことであり、やりたいこともあった。

私となら、6年担任を一緒にしてみたい、と言ってくれる先生もいた。

ところが、である。

3月の内示(異動するものに異動先を伝達する)

長年月で異動を予想された人が終わった後に、私は校長室に呼ばれた。

周りの先生たちが、ザワザワした。

私もなんのことか分からず、自分の中で予想する時間もなく、校長室に入った。

「やっぱり、来年度からは指導教諭をしてもらうことになった」

まさかの展開である。

指導教諭にはならず、6年担任をする。

そう思っていた。

校長は続けた

「指導教諭をしてもらうことになるから、6年担任は無理やなあ。してもらおうと思っていたのに」
「指導教諭を2人体制にすることになった」

そういうことか。
指導教諭を入れ代わりにするのではなく、重なる時期を作る。
そうしておくことで、後任を準備しておく。
なるほど、と正直に思った。

そして、私は、
4月から指導教諭になることが決定した。

職員室に戻ると、
私となら6年担任をしたい
と言っていた先生は
自ら校長室に向かい、
6年担任の希望を撤回した
そして、4月には2年担任になっていた。





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