指導教諭になった私は4年担任となった
前年の3年生の時
いろいろとあったクラスだ
いわゆる「学級崩壊」である
そんなクラスを持ち始めて2ヶ月経った6月
校長に呼ばれ、校長室へ
「指導教諭として、最初の仕事だ」
表向きは「教育用務」
実は、県が作っている学習のためのワークシートづくり
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指導教諭になると、内緒の仕事を頼まれると前任者から聞いていた
試験の問題を作ることもあるようだ
私は「ワークシートづくり」
都道府県のホームページにアクセルすると、そのワークシートをダウンロードすることができる
小学校、中学校の各教科のワークシートが利用可能になっていた
それを作ることになったのだ
このワークシート集の存在は知ってはいたが、
都道府県の教育委員会が作成しているのだと思っていた
実際は、このように都道府県内の教員に割り当てられ、県がそれをまとめているのであった
8月の初めまでに1人5シート以上
私にとっては、非常に困った宿題だ
前年に学級崩壊したクラスの建て直し
そして、中学校理科のワークシート•••私は現在小学校勤務だ
中学校の教科書を持っていない私は教科書を貸してもらった
しかし、作るのは「ワークシート」
中学校に勤務をしていたら、テストづくりのために問題集を何冊も持っている
そこから、参考になる問題を選び、それを元に問題を作ることができる
ところが小学校に勤務している私は中学校の問題集は持っていない
しかも•••小学校の指導教諭になった時点で、中学校で使っていた問題集やプリントを処分した
もう、中学校のことをすることはないと思ったからである
さて、問題集を持っていない私はどうしたか
ネットで問題を探すことになった
さらに困ったのは、「図」である。
問題作成には、「図」が必要である。
その図のデータがない
中学校に勤務していたら、授業で使用する問題集に図のデータがついている
それを利用して、授業で使うプリントや定期テストの問題を作成できる
当然、私はそれができない
「知り合いに頼めたら」と思ったが、10年以上、中学校と疎遠になっている私に連絡を取れる理科教師はいなかった
そもそも、「内緒の仕事」である
私はネット上にある無料で利用できる図を使ったり、パソコンのペイントソフトで図を自ら描いて使った。
時間がかかったのは言うまでもない。
ワークシートの作成はなかなか進まなかった。
ところが、である。
クラスの建て直しは順調に進んだ。
いい形で夏休みを迎えることができた。
さて、クラスづくりに満足感を持って、突入した夏休み
小学校の夏休みは、教師にとって、本当に夏休みだ
時間はたっぷりとある
クラスづくりに手応えを感じていた私は
とても気分の良い夏休みをスタートさせた
時間的にも余裕があり、ノルマであった5ワークシートを私は早い段階でクリアした
そして、さらに1ワークシートを完成させた
課題であったワークシートを提出し、この「内緒の仕事」を無事終えることができた
中学校のワークシート作成のまとめ役から、次のようなメールがきた
「みなさん、ワークシート作成、ありがとうございました。
今回は、素晴らしいワークシートができあがりました。
来年度も引き続き、ワークシート作成に携わっていただきたい方もいらっしゃいます。
その際は、是非ともお引き受けいただきますように、よろしくお願いします。」
ノルマ以上の6ワークシートを作った私は満足感を感じていた
「もしかしたら、引き続いてワークシート作成をすることになるかも」
そう思っていた自分がいた
あれからもう3年
ワークシート作成の話は来ていない


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