私は10年以上ぶりに中学校に戻ってきた。
「中学校は嫌だ」
正直思っていた。
しかし、いつまでも、そうは言ってられない。
気持ちを入れ替え、4月から働き始めた。
やりがいはあった。
主幹教諭は指導教諭とは違い、学校運営に関わる。
校長から与えられたこと、いや、それ以上に頑張った。
周りからも
「校長の右腕のような働きぶり」
と言われた。
職員室の人間関係
これに困らされた。
特に困ったのは、やはり
「上司」
校長、教頭、学年主任だ。
特に校長と学年主任の繋がり。
私だけでなく、他の先生達も言っていた。
「今の校長は学年主任の意向ばかり聞く」
全く、その通りだった。
私たちの学年の学年主任は仕事ができない。
口ばかりが動く人。
働かない。
そんな学年主任のもと、私たちは困っていた。
「はっきりしてほしい」
「指示や連絡が不徹底」
「学年主任が出るべきところで、逃げる」
私もそう感じたし、前からその学校にいる先生達も同じように感じていた。
そういうとき、がまんできないのが私の性分。
つい、言ってしまう。
会議でも言っていた。
周りの先生の中にはうなづいている先生もいる。
私が言っていることは、
決して、間違っていない、
そう思っていた。
しかし、何が正しいかは、人によって違う。
正義は人の数だけある。
学年主任は校長に相談していた。
相談内容はずばり、
「言うことを聞かない人がいて、学年をまとめにくい。その張本人が私」
毎日のように校長に話に行っていた学年主任。
それは、困った私のことを相談していた。
もっと分かりやすい言葉で言えば、
「愚痴」
っていたわけだ。
これは憶測ではない。
事務職員から聞いた。
「本当、毎日、愚痴っていたよ」
毎日のように愚痴を聞かされて、校長は私のことをどう見るか。
日を見るより明らかだ。
「アイツは気をつけないといけない」
「中学校がどういうものか、思い知らせないと」
これも憶測ではない。
この学校に着任して2ヶ月目。
私は教師人生でも、初めてと言っていようなことに逢ってしまう。
そして、私の地獄が始まった。
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