#3 公開裁判、そして公開処刑

01 黒歴史

やり直しのミーティングが始まった。
教室の後方には学年主任の姿。

私は説明した。
「先日のミーティングで、先生が誤解を招くような言い方をしたかもしれないので、改めて説明したいし、思っていることがあれば、言ってほしい」

私は説明を始めた。

よどみなく話すことができた。
2回目だからである。
同じことを2回言うのは簡単だ。

部員達の反応は悪くない。
うなづいてくれている部員もいる。
「それみたことか!学年主任!!」
と思った。

ところが、である。
学年主任に文句を言いにいった部員が手を挙げた。
そして、発言をした。
これは明らかに、学年主任から
「ミーティングをもう一度するから、思っていることをいいなさい」
言われている。

その部員は、次から次へと、とめどなく、言った。

私の悪口を。

あのミーティングのことではない。
単なる誹謗中傷だ。

私は、ただただ聞くだけ。

言えるとしたら、
「そうかぁ、それは悪かった。気をつける」

そういうしかない。

もう、3回目のミーティングはしたくない。

私は心を無にした。

その部員は明らかに悦に入っている。
満足げだ。

「嫌いな先生に、みんなの前で、悪口を言った」

ただ、それだけだった。

その話に乗ってる部員は誰一人いなかった。

本当に、ただただ、ある1人の部員に、悪口を言われまくった、それだけだ。



そのあとは、他の部員が、
「これから、こうしていきたい」
という意見を言ってくれた。

それは、私に対しての意見ではなく、昨年度まで、きちんとできてなかったことを、これからはしてほしい、というお願いでもあった。

「私の想いは、1回目のミーティングで、きちんと伝わっていた」

そう思えた。

いや、もともと、狙い通りのミーティングだったのだ。

「学年主任…たった1人の意見だったんですよ、あなたが突然の学年会をして、あたかも全ての部員が思っているかのように、扱ったのは」

そう思うと、満足感と共に、怒りが込み上げてきた。

「当事者である、私に意図も聞かずに、秘密裏に校長に相談し、一部の生徒だけに話を聞き、それを絶対だと扱い、突然の学年会」

それは

「公開裁判」

そして、このミーティングのあと、もう1人の顧問が言った。

「今日は、公開処刑でしたね」

そう、その通りだ。

こういことをされて、黙っている私ではない。

私は、クラブを建て直すために、したことだ。

それに対する
「公開裁判」
「公開処刑」

そこに、私に対する尊厳、配慮、気遣い…全くない。

これは
「いじめ」

赴任してそうそう、私はこれまで経験のないような仕打ちを受けた。

私は、我慢ができない、
行動に起こさないと、収まらない性分。

校長に訴える。

翌日の朝、私は校長室に向かった。

「校長先生、お話が」

「おお、どうだった?うまくいったか?」

お気楽なもんだ。

学年主任の理不尽なやり方も知らずに。

「公開裁判」
「公開処刑」

そう言われるような出来事がつづいているにも関わらず。

私は、ミーティングの一部始終を伝えた。

分かってもらえると思った。

事実に目を向けて、もらえると思った。

1人を除いて、部員達は、私に対して、マイナスの感情は持ってないこともわかった。

ところが、校長が発した言葉に私は、耳を疑った。

「はぁ?いろいろ聞いてるぞ!子どもらを追い込む必要があるか!!」

もう、私は、何がなんだか分からない。

茫然自失の私に、予期せぬ校長の言葉が、次から次へと、耳に入ってくるだけだった。






コメント

  1. ななし より:

    私は、我慢ができない、
    行動に起こさないと、収まらない性分。

    やばい人じゃないかーい(笑)

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