親孝行。

03 教育委員会

父75歳、母70歳。
私の両親は仕事を続けている。
会社経営をし、まだまだ元気だ。

しかし、もう70歳を超えている。
私が「親孝行」を出来るのも、そう長くないかもしれない。

今まで、心配をかけたことはしばしば。

特に多かったのは、交通事故。

大きな事故はなかったが、小さな事故は何年かに一度のペースの時期もあった。

せっかちで退屈が嫌いな私にとって、運転している時間は苦痛なのだ。

かといって、交通違反をするような運転はしたくない。

退屈しのぎのために、車の中で、何をするか。
それが大きな課題だ。

スマホが普及するまでは、ラジオにハマった時期があった。
通勤に50分かかっていたときだ。

ベストの時間は朝の7時と、夜の6時。
お気に入りの番組があった。

しかし、いつもこの時刻に通勤できるわけではない。

音楽を聴いていた時期もあった。
だが、毎日同じ歌は退屈する。
新しい歌を聴けるようにするには、当然お金もかかってくる。

一時期、チャレンジしたのは、テレビを録画して、それをDVDに焼き、ポータブルDVDプレイヤーで観る。

これは、退屈しのぎにはなったが、運転中の試聴は危険だ。

スマホが普及して、Youtubeなどを聴きながら、
音楽もサブスクで、
定額でいろいろ聴ける時代となった。

さて、「親孝行」の話をしよう。

最近、教頭試験に受かった。

両親とも、喜んでくれた。

学校とは無縁の会社をしている両親。
親戚の中にも、学校関係者は誰もいない。

現代で、学校の先生がどう評価されているか分からないが、先生になったことは、両親には喜ばれている。

そして、この先、出世していくことを期待している。

「教頭試験合格」
は、親孝行が次のステージに進んだ、そう思っている。

この歳で教頭試験に合格。

これは、「校長」も既成路線だ。

教育長の口からも聞いている。

ともに70歳を超えている両親が健在なうちに、

息子が「校長」

見せてやりたい。

その前に、また、別の親孝行がやってきそうだ。

「都道府県の教育委員会」

田舎の出身の我が家。

今はそれなりの地域には両親ともするではいる。

だが、近々決まる。

4月から、都道府県の教育委員会。

都道府県の中心へ。

そして、12年後。

両親は現在だろうか。

そして、そのとき、
私は…

退職か、教育長か…何をしているのだろう。

両親の目に映る私は、何をしているのだろう。

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