試練の夏#8

06 試練の夏




私の専門教科を仮に社会であったとする。
今年度、社会に関する業務は全て私だ。

特に問題がないように思えるかもしれないが、実はおかしい。
それはなぜか。

各教科の担当は2人ずつだからだ。
もう1人いるのだ。

それは、あの人だ。
指導主事【2】早朝にバトル勃発
なぜ、この人が担当しないのか。

それは、昨年度の時点で、烙印を押されたからだ。
「重要な業務は任せられない」

もう少し具体的に説明しよう。
教科に関わる業務を2つに分けてみる。

事務的な業務と、担当が考えて行う業務。

誰がしても大きな違いがない業務と、担当が試行錯誤や連絡調整をしながら進めていく業務。

普通1年目は、事務的業務と1つだけ考えてしていかなければいけない業務を担当する。

私はどうか。
事務的業務も考える業務も全て。
1年目で。

その人が、教科の業務の第2ステップに上がることなく、他の事務的業務を行っている。

だから、私は1年目から、教科の業務の第2ステップまで、一気に上がらなくてはならない。

その人が、昨年度、どんな状態だったかは、話では聞く。

だが…まだ来てもない私に、第2ステップまで上がらせる業務分担。

私はどんな評判で、ここにやってきたのか。

異例の業務分担がなされていることから、悪くない評判だったと推察される。
ありがたいことではあるが、それにしても業務が重なり過ぎている。

8月はじめ。
試練はまだ始まったばかり。

そして、その試練は、今までに経験したことのないものであった。

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