試練の夏#13

06 試練の夏




お盆が明けた。
夏季休暇はとれていない。

そう。
大きな3つ目の行事が迫っている。

ここまで、たどり着くまで、本当に大変であった。
1年目は担当したことのない業務。

それはそうだ。
やるべきことが多岐に渡り、しかも時間を要する。

本当に苦労した。
でも、やり遂げた。

しかし、本番はこれからだ。
本番を終えた後が、恐ろしい。

本番の後、その行事の集約が必要なのだ。
それは昨年度、1週間かけてしていた。

今年度は4日。
この行事の開催日を、遅らせたからだ。

その理由は小さなこと。
しなくてもよかった開催日の変更。

それによって、集約がわずか4日間。
しかも、そのうち1日は別の行事を進めなければならない。

疲れ切っている私には、過酷以外の何物でもない。

この頃、私は、始発に乗り始めた。
そうしないと、仕事をすすめることができないからだ。

朝の5時に始発に乗り込み、都道府県庁に着くのは、まだ5時台。

集約をしつつ、他の行事も迫ってきているから、その業務もして…。

退庁を勧めるアナウンス。

終わらない仕事。

自分より遅く出勤した人達が、ひとり、またひとりと帰っていく。

「業務が重なっていて大変だね」

と声をかけてくれる。
それはありがたい。

だが、早く帰れるわけではない。

さすがに、私の業務の多さをいろいろな人が知ることとなった。

「睡眠時間とれているか?」

とも言われた。

この頃から、私は
心を無にして、
ただ毎日
仕事をするだけの
マシーンと化した。

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