#3 ウォーキング・デッド

07 人生はゲーム




私は三十代半ばから、海外ドラマにハマった。
「24」「プリズンブレイク」「LOST」

いくつものシーズンがあり、次のシーズンが配信開始になるのを楽しみにいていた。
私が老眼になったのも、この頃だ。

なぜ、海外ドラマの話をするのか。
今日の朝、思い出した海外ドラマがある。

「ウォーキングデッド」

人間とゾンビの争い、そして人間同士の争いを描いたドラマだ。
もちろん、私がハマった海外ドラマの1つだ。

今日は夜9時まで仕事。
長い1日だ。

夜9時まで仕事をして、電車で帰る。
帰宅は10時を過ぎる。

クタクタだ。

そうなりたくない私が今日チャレンジしたこと。

「ギリギリに出勤」

普段より、1時間半遅く出勤する。
それで夜9時までの仕事を乗り越える。

いつもより遅い7時半に家を出た。
最寄りの駅に向う。

出勤ラッシュの時間だ。
普段通る踏切は避けた。

開かない踏切、そして渋滞を避けたいからだ。

それを功を奏したようだ。
スムーズに車は進む。
最寄り駅近くの月極駐車場に向う。

すると、現れた。

「ゾンビ」

あちこちから現れて、生気のない様子で歩いている。

ウォーキングデッドのゾンビのように、手を前に伸ばしてはいない。
だが、足取りは、まさにゾンビ。

そのゾンビがあらゆる方向から現れて、車を避けながら、歩いている。

ゾンビ…そう、私の最寄り駅から、職場に向う人達だ。

私はゾンビをかわしながら、道を進む。
始業時間ギリギリの電車を目指している私にとって、乗り遅れることは許されない。

次から次へと、現れるゾンビ。

「よけていくだろう」

とは思っているが、接触したら大変だ。
時間を気にしつつ、スピードを抑え、無事駐車場に到着。

「ウォーキングデッドだった」
とエンジンを停車した車内でつぶやく。

歩いて駅に向う。
時間に余裕はない。

私は車の間をすり抜けた。

私もゾンビだ。

いつもより1時間半も遅く出発したので、いつもより朝の時間が長かった。

炭酸水を飲み過ぎた。

尿意をもよおし、トイレに入る。

時間的にはギリギリだ。

用を済ませ、手を洗いにいくと、押し寄せてきた。

ゾンビの群れ。

手洗い場の狭いスペースにはゾンビが押し寄せていた。

体を横に向け、ゾンビを避けて、手を洗う。
再び、体を横に向け、ゾンビを避けて、トイレから出た。

次は、通勤ラッシュの電車から出てきたゾンビの群れ。

最大のピンチ。

私は、唯一の人間。

ゾンビの世界で、生き抜く。

そう思いながら、ゾンビの群れの中へ。

掻き分けながら進む。

私は、ゾンビの群れを突破した主人公。

いや…ゾンビに襲われなかった…

私もゾンビだ。


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