#32 ラスボス⑦

07 人生はゲーム




当日を迎えた。

「ラスボス対ボス」

私はあくまでも黒子。

資料を準備した。

ラスボスとボスの都合を合わせ、予約した。

私は黒子。

ただただ、資料を手に持ち、座っている。

「ラスボス対ボス」

特等席で見る。

のはずが、

「遠慮なく発言してくださいね」

迷いの中、その時を迎えた。

「ラスボス対ボス」

それは和やかな雰囲気で進んでいった。

「こんな雰囲気なんだ」

新鮮さ。

そして…複雑な思い。

これまで、自分を犠牲にしてきた。

資料の準備、予約の調整。

そんなこと、今のこの場所では、全く感じない。

「行政」

学校にはなかった、明らかな地位の差。

私達は汗をかく。

ただひたすら汗をかく。

冷や汗も、涙混じった汗も。

それが、目の前では、楽しげな会話となっている。

「仕方がない」
「これが、この世界」

そう思っている間に、時間は過ぎていく。

膨大な時間と苦労は、わずか10分で終わりへと近づいている。

あと5分で終わり。

そんなときに…我がボスの分からない質問がラスボスから。

ボスから
「どうでしたか?」

私へのパスが来た。

前日、ボスは言った。

「遠慮なく発言してくださいね」

ここか。

基本的には資料を持って参加するだけで、発言はボス、と聞いていたが、これは発言するしかない。

私は、答えた。

確信がないことだったが、そう問題となることではない。

他愛もない質問。

そして、私は答えた。

ふと、気になった。

なんとなく、ではあるがラスボスの視線に、冷たさを感じた。

「やはり、発言しない方が良かったのでは?」

内心、そう思っていた。

そして、このまま、制限時間になろうかというとき、再び、ラスボスの質問に対して、ボスの口は閉じたまま。

そう、この質問は、確実に私が答えなくてはならない。

「こんな展開、聞いてない」

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