#41 サバイバル⑧

07 人生はゲーム




Xデーが迫る中、ついに声がかかった。

「今日は午後から、予定は空いているか?」

担当係長からである。

「特に予定はありません」  

嘘である。
予定はある。

だが、変更できる予定。
そして、変更した。

変更して、午後は個人作業のみ。
いつ呼ばれても大丈夫だ。   

ビッグプロジェクトの話であれば、その返答は考えてある。

「ビッグプロジェクトに力を注ぎたい」
「だから…他の業務について、配慮をお願いしたい」

私が出した結論。

ビッグプロジェクトの担当への道を進む。
そして…他の業務についての私の希望を聞いてもらう。

「交渉」である。

私が避けたい業務。
それは、誰でもできる事務的な業務。
そして、その業務全体を動かせない業務。

私が望む業務。
それは、自分で考え、意見をもらいながら自分で修正。
そして、自分が中心となり、進めていく業務。

ここに来て思った。

何かを成し遂げるために、最も障壁となるもの。
それは、自分自身の忙しさ。
そして…仕事の邪魔をする人々。

それを排除して、そのビッグプロジェクトに私は乗る。

いよいよ、担当係長から、打診がある。
私は予定を空けた。

声がかかった瞬間から、動き出す。

夕方…まだ声がかからない。
予定を空けて、個人作業の業務を始めて、3時間。

ビッグプロジェクトのことが気になって、いまいち作業が進まない。

「係長も、どう話をしようか、迷っているのだろう」  

そう思った。

ビッグプロジェクトだからだ。

そして、ついに、声をかけられた。

「来た」
そう、心の中で、呟いた。

「待ってました」
そういう心境だった。

係長は言った。

「来年度の予算のことだが…」

???

(ビッグプロジェクトのことじゃないのか?)

そして、予算の話をした。
もちろん、ビッグプロジェクトとは関係のない話。

(これが、前置きか…係長も考えたのだな)

そう思い、改めて気持ちを落ち着かせる。
私にとっての、大きな決断のときが近づいている。

「では、よろしく」

???

話が終わった。

自席に戻る係長の背中を見る私。

Xデーまで、本当にわずかだ。


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