私は心配していた。
「スライムくん」のことが心配だった。
「なんとかしてあげたい」
そう思うが、どうしたら良いのか分からない。
人には苦手なことがある。
苦手なことがたくさんある人がいる。
コロナ禍で特に感じること。
「コンピュータ」
「ネット」
が苦手な人には酷な社会になった。
コロナ禍では「オンライン会議」が標準となりつつある。
時には、何百人単位での「オンライン会議」が行われる。
そして、「ハイブリッド開催」
会場とオンラインの「二刀流」の開催のことである。
これは、非常に複雑だ。
会場の参加者に対しての進行と共に、オンライン参加者への進行も意識しながら進める必要がある。
オンライン会議ソフトでの「マイク」「カメラ」のオンとオフ。
そして「画面共有」
オンライでの「画面共有」を、会場の参加者にも提示する必要がある。
この複雑な状況を理解できない人がいる。
「スライムくん」はまさにそういう人。
人には苦手なことがある。仕方ない。
スライムくんは、無事業務を終えた。
しかし、根本的なことは理解できていない。
業務を終えた翌日、スライムくんに聞いた。
「大丈夫だった?」
スライムくんは答えた。
「まあ、とりあえず終わった」
それ以上、聞いてほしくない、そんな雰囲気。
「終わること、それが1番大事」
私は、そう答えた。
とりあえず、スライムくんは業務を無事終えた。
それを気にしていた私。
私は…スライムくんのことを気にしている場合ではなかった。
そう。
私は「転落」への道を進んでいたのだ。
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