転落 #10

08 転落




10日目。

「どちらも助けなくてはいけない」

そう思いつつ、まずは自分が主担当の業務を進める

「急がなければ…」
と思えば、仕事はすぐに進む。

しかし、進むところまでは進んだが、施設の予約が取れない。
これは、自分だけの力では解決できない。

その原因は…今回までは繁忙期を避けていた。
繁忙期からズレた日に業務を実施していた。

「やっぱり、勝負したい。」

私の悪い癖。
ベストな時期に業務を実施したい。

それは他の業務も同じだ。

「施設が押さえられている。」

ベストな時期を狙うと、施設はとれない。

だが、どうしても、ベストな時期にしたい。

「どうしたらいいのだ…」

常にそのことばかりが頭の中を回っている。
グルグルグルグル。
果てしなく回る。

「苦しい。」

こんな気持ちは初めてだ。

「なぜか息苦しい…」

考えないと解決はしない。
しかし、考えても解決方法が浮かばない。

「苦しい…」

そんなとき、困っている2人からの相談。

「大したことじゃないのに、何をしているんだ」

そう思うぐらい、私の悩みに比べたら、大したことのない悩み。

なぜか…自分が考えれば、答えの出ることだからだ。

「こうすればいいのでは?」

「なるほど」

…というか、自分で考えてよ…

「これでいいですか…」

呆れた…私が伝えたことは入れてはあったが、全体として、穴だらけ。

「ここは、こうして…」

「なるほど!」

私は何をしているのだ。
こんなことをしている場合ではない。

「じゃあ、ここはどうしたらいいですか?」

「ここは…」

やばい。
ますます、この2人の業務に入り込んでいる。。

「私にも主担当の業務があり、それを解決しないといけない」

「結局、この2人はお互いに、私に頼っている」

頼られたときに、なんとかしたい。
でも…自分の業務が心配。
だが…この2人の業務も心配。

グルグル回る。
そして、それがピークに達した。


コメント

タイトルとURLをコピーしました