出勤拒否 #10

09 出勤拒否




新年度が始まった。

2年目がスタートしたのだ。

新しいメンバーが加わって、新鮮な気持ちの日々。

悪くない2年目のスタートだ。

だが、気になることがある。

「耳鳴り」だ。

朝、目が覚める。

天気は良さそうだ。

天候による気圧の影響はなさそうだ。

だが…

「シャー」

耳鳴りは今日も。

朝のコーヒーを入れる。

落ち着くひととき。

だが…

「シャー」

深呼吸する。

焦ってはいけない…耳鳴りの原因はストレスかもしれない。

不安な気持ちにならないように、気持ちを落ち着かせないと。

そう言い聞かせて、もう一度深呼吸。

「フー」

しかし…耳鳴りは続いていく。

コーヒーに続き、朝のルーティン。

浴槽を洗う。

何年も続けている私の仕事。

朝に浴槽を洗い、体を動かす。

歯を磨く。出勤の支度をする。

気がつけば、耳鳴りはおさまっていた。

そんな日々が続いていた。

4月はまだ私の担当業務は本格的には始まらない。

耳鳴りも少し落ち着いてきたようだ。

4月も半ばに入った。

ある朝…目が覚めて、朝のルーティン。

耳鳴りが始まった。

しかも…

「あれ?」

「息苦しい…」

「コロナの後遺症か?」

そう思おうとする。

コロナ感染後、どうも息がしっかりとできない期間があった。

でも、違う気がする。

もう一度深呼吸。

「息苦しい…」

時計を見る。

そろそろ出発しなければ。

イヤホンをして、お気に入りの音楽を聴く。

耳鳴りを忘れられる時間。

3月に始まった耳鳴り。

当初は寝起きのときだけであった。

最近は昼も夜も耳鳴りがする。

音楽を聴きながら、出勤。

無事、登庁。

ときおり、

「フー」

深呼吸をしながら。

それでも、何か落ち着かない。

始業まで、あと5分。

「ヤバい」

「息苦しい…」

私はどうなってしまったのだ。


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