翌日。
朝の耳鳴りはいつもどおり。
もう、当たり前になりすぎた。
それよりも、気になっている。
「苦しさ」
そして、
「めまい」
いつものように朝の支度をする。
「苦しさ」も「めまい」もない。
いつもの朝だ。
電車に乗るために、ホームで待つ。
いつものことだ。
ところが…電車がホームに入ってくるアナウンス。
「苦しい…」
そして、
「めまいが…」
必死に深呼吸。
マスクを外し、深呼吸。
周りの目を気にしている余裕はない。
ホームに電車が入ってきた。
「苦しい」
落ち着かない。
電車が停止した。
なんとか乗り込んだ。
だが、しかし…
「乗り込んでしまったら、外へは出られなくなる」
「怖い…」
深呼吸。
深呼吸。
席に座れた。
深呼吸。
深呼吸。
少し、落ち着いた。
電車が動き出した。
なんとか乗れた。
乗れた。
「乗ってしまった」
「もう、降りられない」
深呼吸。
深呼吸。
これはまさに、拒否反応。
不登校ならぬ出勤拒否。
こんな日が来るとは思ってもいなかった。
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