#18 指導主事になるという確信

00 序章

この年、私の行き先について、いろいろな動きがあった。
中学校へ行くかもしれないという校長
教育委員会へ行くという噂

どちらも不確定

そんな私に
「確定的」
な情報が入ってきた。



私は指導教諭2年目を迎えていた。
そして、ある日の出張で、
かつての同僚に会った。

久しぶりでたわいもない話をしていたら、最後に
「今日の会議の後、相談したいことが」
と言われた。
私は、何のことか全く分からず、少し気になりながらも会議に集中した。

無事、会議が終わり、こちらから話しかけた。
「相談って、何?」
すると
「実は指導教諭の試験を受けることになって…アドバイスがほしい」

アドバイスを求められる。
悪い気はしない。
いや、嬉しい。

私は答えた。
「指名されて受けるのなら、大丈夫だよ」
「まあ、そうなんだろうけど、準備はしておきたい」

確かにそうだ。
私も試験に向けて勉強したから。

その日は、簡単に終わり、これからはLINEでのやりとりをすることになった。

さて、そのLINEでのやりとり。
すごい事実が分かった。

まず、なぜ元同僚が指導教諭の試験を受けることになったのか。
それは…私の後任。
教育長が私の次のして、この元同僚を指名したのだ。

私が指導教諭になった時のように、2人体制になるのかと思いきや、そうではないらしい。

実はもう既に私以外でもう1人指導教諭がいる。
その人はこの年、指導教諭1年目。
現時点で2人体制になっていた。

なのに、次の指導教諭を教育長が指名した。

その理由。
指導教諭が2人から1人になる。減るとしたら、それは私だ。
先に指導教諭になっていることに加えて、学校の児童数が減少し、指導教諭を配置できる規模ではなくなりつつある。

ひょんなことから、私が指導教諭をやめて、どこかに異動することがわかってしまった。

さらに…だ。
指導主事も代わる。
つまり、教育委員会に行く人がいる。

2年前は対抗馬だった私。
今回は本命だ。
これはあくまでも噂。

ところが、教育長の指名により、次の指導教諭が誕生する。

繋ぎ合わせるとわたしが教育委員会に行き、元同僚が指導教諭になって、引き続き2人体制。

見事すぎるほど、人事がうまく流れる。
教育長の思惑が手に取るように分かった。

見事な教育長の手腕。

私は確信した。

来年度は
「教育委員会」
「指導主事」
だ。

ところが…私の教師人生、
いや、人生の行き先は
この後、まだ動きをみせる。





コメント

  1. マツムラ より:

     はじめてメールします。わたしは,オーバー50で,小学校の教頭をしています。
    指導主事への転身も考えている中で出会ったのがこのブログでした。非常に興味深く楽しく読まさせていただいています。
     ひとりさんの前職までの奮闘ぶりや,指導主事になってからの困難さを小説を読むような感じで楽しんでいます。おいそがしい中での執筆,大変でしょうが楽しみにしています。

    • ひとり ひとり より:

      コメントありがとうございます。
      マツムラさんのようにオーバー50で小学校の教頭として、現場に戻ることが目標です。
      退職を意識するようになり、自分の人生の軌跡として、そして、私の経験が参考になればと思い、投稿しています。
      「試練の夏」を乗り越えて、少し時間が取れそうなので、投稿を再開します。
      また覗いてみてください。
      そして、コメントありがとうございます。とても励みになります。
      ともにがんばりましょう。

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