試練の夏#15

06 試練の夏




連日、朝から夜中…いや翌日まで、ただただ仕事をするマシーン。

「大丈夫?」

心配して、声をかけてくれる人がいる。

ありがたい。

ただ…その言葉に、返せる言葉

「大丈夫…です」

口から出る言葉と、現実がこんなに違うことがあるのだろうか。

私の頭の中は、仕事のことしかない。

仕事以外のことで、エネルギーを使うわけにはいかない。

朝、5時に出勤し、帰るのは夜11時以降。
とにかく、エネルギーを消費しないように仕事をしていく。

マシーンだ。

本当のマシーンなら、疲れ知らずだろう。

ふと、思った。

「これがノイローゼへの道か?」

長時間の勤務。
しかし、何をしたのか記憶が曖昧だ。

朝の5時から夜中まで。
確実に時間は過ぎていく。

終わりの見えない仕事。
夜遅くまで仕事をしている人に言われた。

「倒れるなよ」

私は答えた。

「睡眠時間は少ないけど、眠くないです」

すると、その人は答えた。

「ここでは、年に何回か、そういう時期がある」

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