出勤拒否 #6

09 出勤拒否

「耳鳴り」

ネットで調べてみる。

「原因はストレス」

「治療法はない」

今日の耳鳴りは「たまたま」だと信じよう。

「寝れば治るさ」

「おそらく寝不足だろう」

そう言い聞かせた。

そして、早めに床についた。

朝、目が覚めた。

睡眠時間は十分である。

耳鳴りは…。

「シャー」

やはり、聞こえてきた。

原因はなんだろう。

もしかしたら…ずっと気が張っていて、大きな仕事が終わって、疲れが出たのかもしれない。

そう思うことにした。

翌日も耳鳴りがした。

その翌日も。

気がつけば1週間が過ぎていた。

気にはしていたが、もっと気になることがあった。

「課長との面談」

今年度のことと、来年度のことが主な内容だ。

「来年度はどの業務の担当だろう」

耳鳴りを気にはしていた。

だが、それほど深刻には考えていなかった。

「大変過ぎる今年度の終わりが見えた」

「来年度こそは、通常の業務量に戻してくれるだろう」

そう思っていたからだ。

自信喪失したが、来年度に向けて、期待をしていた。

今思えば、期待をしたのが間違いだったのだろう。

来年度の業務。

それは、過酷な1年目を上回るものであった。





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