出勤拒否 #7

09 出勤拒否




3月。
今年度、最後の会議。

1年目の私にとっては、全てが初体験。
そんな1年が終わりを迎えようとしている。

これで、ひと通りの経験ができた。
そして…この会議で来年度の業務分担が発表される。

1年目の私は、1年目とは思えない業務量。
その原因はいろいろある。

言いたいことは山ほどある。
だが、とりあえず終わりだ。

振り返ってみると…誰がみても分かるハード過ぎる私の1年目。
明らかな、業務分担のミス。

軽減されるはずだ。
そう、絶対に。

そして…あの人のと関わりも減らしてもらえるあろう。
指導主事【2】早朝にバトル勃発

会議が始まり、来年度の業務分担の提案。
その結果は…やはり軽減されていた。

「良かった…」と思ったが、当然だ。
今年度が異常。

「良かった」ではなく「当たり前」
感覚が麻痺していた自分に気づいた。

提案された来年度の業務分担をよく見てみる。
1年目の今年度よりは少ないが、大きな業務を2つ持っている。

この2つは…今年度、私が同時に受け持つまでは、同時に受け持った人は誰も誰もいない。

「またか…」

この2つを同時にしてしまった私。
来年度も引き続き、同時に受け持つ。

1年目の私は、かつてないこの2つを同時にやり遂げてしまった。
無事、終えた。

その結果、私は、今までに感じたことのない精神状態になっている。
「自信喪失」

そして、体の変調。
「耳鳴り」である。

相変らず、寝起きの耳鳴りは続いている。

会議中、珍しく異論が出た。

「この業務分担はおかしい」
「今年度、できたからといって、やはり同時に受け持つ業務ではない」
そう発言してくれた人が複数いた。

が、課長の考えは変わらない。

私は再び、この2つの大きな業務を引き続き、担当することに。

「まあ、1年目よりはマシ」
「2度目だから、慣れている」

そう自分に言い聞かせた。

確かに、少し軽減されていた。
…「軽減されている」ように見えた。

それは、大きな間違いだった。

諦めと、少し軽減されたことを喜ぶ。
来年度は、腰を据えて、それぞれの業務にあたれそうだ。

ふと気がつくと、3月も20日過ぎていた。

私は1年目より軽減されて、気持ちも軽かった。
心なしか、耳鳴りも気にならないくらいになっていた。

ところが、事件が起きた。

それは年度末の3月30日の夕方であった。


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